顎の痛みと「首のゆがみ」の意外な関係
顎の痛みと「首のゆがみ」の意外な関係
「顎の痛み=歯の問題」と思っていませんか?
実は、首の傾きや捻じれ、前後のバランスによって、顎の位置が少しずつズレてしまうことがあります。たとえわずか0.5mmのズレでも、顎関節の動きに影響を与えることがあるのです。これは、顎関節症(がくかんせつしょう)の一因にもなります。
実際にあったケースをご紹介します。
ある方は、数か月前から左の顎関節に痛みを感じるようになり、食事のたびにお悩みでした。歯科で診てもらっても「歯に異常はなく、食いしばりも見られない」と言われ、大きな病院に紹介されたものの、そこでも原因は不明。
痛みが取れないまま時間が過ぎ、当院にご相談に来られました。
診察の結果、下顎が顔の中心から左にズレていることがわかりました。さらに、上部頸椎(首の一番上)の左側に筋肉の緊張が見られました。痛みはありませんが、微細な動きの違和感がありました。
試しに、左にズレた下顎を中央に軽く戻しながら口を開けてもらうと、痛みが軽減したのです。
原因は「食事中の姿勢」かもしれません
そこでお聞きしたところ、「スマホを見ながら食事していることが多い」とのことでした。
スマホを見ながらの食事、よくある風景ですよね。でもこの姿勢、意外に負担がかかっています。
特に多いのが、
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左手でスマホを持つ
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右手で箸を使う
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首は自然と左に傾き、左にねじれる
この状態が毎日続くと、下顎が左へ引っ張られたまま咀嚼(そしゃく)を繰り返すことになり、顎関節に負担がかかりやすくなります。
まとめ:姿勢を見直すだけで、顎の痛みが変わるかもしれません
今回のケースでは、首や顎を直接「矯正」しなくても、姿勢の見直しと軽い調整だけで改善が見られました。
食事中はスマホを置いて、まっすぐ前を向いて咀嚼する。
それだけでも、顎関節にかかる負担は軽くなります。
顎の痛みにお悩みの方は、ぜひ一度「姿勢」と「首の使い方」にも注目してみてください。