「上部頸椎と後頭下筋群の緊張反射について」
「上部頸椎と後頭下筋群の緊張反射について」
上部頸椎カイロプラクティックを行う中で、私が重視しているものの一つが「後頭下筋群の緊張」です。
この筋群は、環椎後頭関節(AO関節)や環軸関節(AA関節)など、上部頸椎の可動性に大きく関与しています。
特にこの領域に筋緊張があると、
首の動きが制限されるだけでなく、肩甲骨や胸椎、肋骨まわりの筋肉にも過剰な緊張が波及し、全身のバランスに影響します。
■ “緊張反射”としてのサブラクセイション評価
上部頸椎サブラクセイションの評価は、画像検査がなければ非常に難しいのが現実です。
ですが私は、**「緊張反射」**という身体の無意識の反応を利用して、上部頸椎の状態を判断する手法を採用しています。
これがサブラクセイションかどうか、厳密には議論が分かれるかもしれません。
しかしこのテストには次のような利点があります:
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クライアントに事前情報を伝えなければ意識の介入が起きにくい
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クライアント自身が身体の変化を即座に実感しやすい
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手技もシンプルで、短時間で再現可能
■ 反射が変われば、姿勢も変わる
実際に、後頭下筋群の緊張が緩和され、上部頸椎の可動性が改善されると、
肩や胸郭の余分な緊張も解けて、身体の対称性が自然と整っていくのが分かります。
これは“歪み”を直接矯正するというより、神経系の反応を変えることによって、身体全体の動きの質が変わるというアプローチです。
■ おわりに
画像がなくても、“わかる”。
クライアントにも、“感じられる”。
そんな評価法と手技を、これからも探究していきたいと思います。