「治す」「治した」と言う前に
「治す」「治した」と言う前に
私たちのような治療に携わる職業の人間は、
ときに「患者さんを治す」「自分が治した」と口にしてしまうことがあります。
ですが、私は——その言葉を使ったことがありません。
治る力は誰のものか?
治る力は、100%患者さんの中にあります。
施術者の中には存在しません。
私たち施術者にできることは限られています。
せいぜい、
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そっと触れること
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安心してもらえるように話を聞くこと
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必要なことを伝え、納得してもらうこと
……それくらいの“外側からの働きかけ”です。
治るのは、身体が自分で決めている
その働きかけに対して、神経系が反応する。
皮膚や筋肉にわずかな刺激が加わり、神経の伝達が変わる。
その変化が、身体の内部でじわじわと起こっていく。
自然治癒とは、そういう連鎖反応のようなものではないかと私は思っています。
上部頸椎カイロプラクティックも同じです
私が行っている上部頸椎カイロプラクティックもまったく同じです。
私がしているのは、
ほんのわずかな圧と刺激を、上部頸椎の一点に与えること。
それによって神経系が反応し、体が自ら変わっていく。
つまり、私は**「変化のきっかけ」**を与えているだけなのです。
私は「治せない」人。でも……
ですから私は、
「患者さんを治せます」とは言えません。
けれど、
**「回復に向かうきっかけを与えること」**はできると思っています。
それは、「治す」よりも誠実な在り方なのではないかと、私は信じています。