上部頸椎カイロプラクティックとは?触れることの意味をもう一度考える
上部頸椎カイロプラクティックに、もう一度向き合ってみる
久しぶりに、上部頸椎カイロプラクティックについて書いてみようと思います。
一時期は毎日のようにブログを書いていたのですが、少し距離を置いていました。
でも、やっぱり今でもこの分野が好きなんですよね。
離れて見えてきたこと
「スペシフィック・カイロプラクティック」という言葉を掲げ、私は長年、上部頸椎カイロプラクティックに取り組んできました。
しかし、さまざまな事情から一度その歩みを止め、少しだけ距離を取っていました。
でも、不思議なもので——
いったん手を離してみると、それまで見えなかったものが見えてくるものです。
盲目的に信じていたことも、いまでは少し冷静に、客観的に見られるようになりました。
椎骨は、本当に「動かせる」のか?
たとえば、こんな事実に気づきました。
「椎骨は人の手では直接動かせない」
これは、とても大事な視点だと思っています。
上部頸椎、胸椎、腰椎、骨盤……
いずれの関節に対しても、私たち施術者が“ダイレクトに”骨を動かしているわけではない。
人間の体の動きはすべて神経系の制御によって起こります。
皮膚感覚、重力の認知、加速度、温冷感覚、深部感覚……
意識できるものも、無意識のうちに働いているものも、
すべては「神経系を介して」体が変化していくのです。
触れることがすでに“始まり”である
ここではあえて、上部頸椎カイロプラクティックに絞って話します。
私たちがクライアントさんの首に触れた——その瞬間から、
体にはすでに“何かしらの変化”が始まっている可能性があります。
いや、もっと言うと、
サイドポスチャーでも、ニーチェストでも、クライアントをセッティングしたその瞬間から、
すでに神経系への刺激はスタートしているのかもしれません。
いやいや、もっと極端に言えば——
クライアントが「この人に任せよう」と決めて、初めて院のドアを開けたとき。
そのときからすでに、神経系には微細な変化が起こっているのかもしれません。
手で骨を動かすのではない。「皮膚を通して、情報を伝えている」
カイロプラクターがどんなに熟練した手技を持っていても、
実際にはクライアントの皮膚にまず触れることから、すべては始まります。
皮膚には数えきれないほどの感覚受容器があります。
その感覚器を通して、中枢神経へ“何か”が伝わっていく。
その“何か”が、
椎骨をあるべき位置へと導き、あるべき可動性を回復させ、
やがて全身の神経伝達や姿勢、内臓の働きにまで影響を及ぼしていく。
あの“施術”は、最後の「きっかけ」にすぎない
私自身の経験からも、
アジャストメントは、変化の“引き金”にすぎないのではないかと、感じています。
そこに至るまでのすべて——
問診、視診、手で触れた時の“あの感触”、
セッティング中の静かな時間、信頼関係、空気感……
それらすべてが、クライアントの神経系に働きかけ、
施術という行為は、その“最終段階”なのかもしれません。
まとめ:だからこそ「触れる」ということの意味を考えたい
カイロプラクターが骨を動かしているのではありません。
神経系が変化して、自ら正しい位置へと戻ろうとしている。
その出発点として、私たちは「触れる」
——ただそれだけの行為が、いかに大きな意味を持つのかを、
これからも丁寧に見つめていきたいと思います。
また気まぐれに、ブログを書きますね。